低学年の親がやりがちな「先取り学習」の落とし穴

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この記事の要点

先取り学習を考えるときに確かめたい理解・意欲・生活のバランスを整理します。就学前教育の追跡研究の限界と、家庭でできる見直しも紹介します。

低学年の親がやりがちな「先取り学習」の落とし穴

中学受験を意識すると、周囲の進み具合が気になることがあります。先取り学習をするかどうかだけで決めず、今の子どもが内容を理解できているか、楽しんで取り組めるかを見てみましょう。

「小4で必ず逆転する」とは言えない

米国のMarcon(2002)は、特定の地域の子どもを追跡し、就学前の保育の特徴と、その後の学校成績との関係を調べました。子ども主体の保育を経験した群の成績の推移が良かったと報告していますが、保育方法を無作為に割り当てた実験ではありません。家庭環境などの違いを完全に除けないため、日本の家庭での先取り学習の効果を直接示す結果でもありません。

さらに、同誌に掲載されたLonigan(2003)の論評は、統計解析と結論の読み取りに疑問を示しています。この研究だけで「先取りした子は小学4年生で必ず抜かれる」と判断することはできません。

答えと、考え方を一緒に確かめる

先へ進むときは、正解だけでなく「どう考えたの?」も聞いてみましょう。例えば足し算なら、式の答えを言うだけでなく、積み木で同じ場面を作れるかを見る方法があります。説明が難しければ、今習っている内容に戻ることも選択肢です。

学校での学びにも、新しい発見がある

知っている内容でも、友達の考え方や別の解き方から学べることがあります。「もう知っているから聞かなくていい」と決めつけず、学校で何を考えたかを話す機会を持ってみてください。授業が合わないと感じる場合は、担任と相談できます。

親の不安と、本人の希望を分けて考える

「周りが始めたから」と教材を増やす前に、本人が何に興味を持っているかを聞いてみましょう。疲れたり嫌がったりする日には、量や難しさを下げることもできます。学習の進度と、睡眠・遊び・親子の会話を一緒に考えたいところです。

遊びの中にも、学ぶ入口がある

文部科学省の幼稚園教育要領では、生活や遊びを通して、数や図形、文字に親しむことを大切にしています。料理で数を数える、絵本の言葉を調べる、工作の方法を試す。机上の課題と組み合わせながら、その子が考える場面を増やしてみましょう。

先取りを一律に良い・悪いと決めるより、本人の理解と負担を確かめながら調整する。その視点が、家庭で取り入れやすい出発点です。


参考文献

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