語彙力は何歳からどう育てる?家庭でできること
この記事の要点
幼い子どもへの語りかけを調べた研究を参考に、会話や読み聞かせで言葉に触れる工夫を紹介します。研究の関連を効果の保証として読まないポイントも整理します。

子どもが知っている言葉は、毎日の会話や読書の中で少しずつ増えていきます。研究を読むときは、対象の年齢や言語、調査の方法も一緒に確かめたいところです。
話し始める前にも、言葉に触れている
WeislederとFernald(2013)は、米国のスペイン語を使う家庭の乳幼児を調べ、子どもに向けた語りかけの量と、24か月時点の語彙や言葉を処理する力との関連を報告しました。周囲の大人同士の会話を耳にする量とは、同じ関連が見られませんでした。
これは観察研究です。語りかけの量だけで発達が決まると示したものではなく、テレビや音楽の効果を直接比べた実験でもありません。
量に加えて、やりとりの仕方にも目を向ける
RoweとSnow(2020)のレビューは、子どもとの相互的なやりとり、使う言葉の特徴、扱う考えの内容という観点から、言語環境を整理しています。この論文は、特定の年齢から始めれば必ず効果が出るという一つの実験ではなく、複数の研究を整理したものです。
声をかける回数だけを目標にするより、本人が見ているものや話したいことを共有する機会を作ってみましょう。
家庭で試せる、言葉の広げ方
子どもの言葉に、少し付け足す
「犬!」と言ったら「茶色い犬が走っているね」と返す。短いやりとりでも、今見ているものを一緒に言葉にできます。返事を急がせず、子どもが話す間を待つこともできます。
分からない言葉を、一緒に確かめる
絵本に知らない言葉が出てきたら、絵を見たり、短い説明を添えたりしてみましょう。毎回質問する必要はありません。物語をそのまま楽しみたい日は、読み進めることも大切にできます。
実物と、言葉を結びつける
葉っぱを比べて「丸い」「細長い」、料理をしながら「混ぜる」「注ぐ」。日常の動作や見たものを話題にするだけでも、言葉を使う場面が生まれます。
画面の時間は、内容と見方も考える
画面を使うかどうかだけで語彙の発達を判断することはできません。内容、年齢、大人と一緒に見るかなどによって状況が違います。動画を見たあとに感想を話すなど、言葉を交わす機会も作れます。睡眠や遊び、対面でのやりとりを圧迫していないかも見てみてください。
今からでも、取り入れられる
「出生直後が最適」「ある年齢を過ぎたら語彙は伸びない」と決めつける必要はありません。発達のペースには個人差があります。聞こえ方や言葉の理解などに心配が続く場合は、園や学校、医療・発達相談の窓口と相談しながら、その子に合う伝え方を考えましょう。
