幼児期に絵本の読み聞かせが学力に与える影響

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この記事の要点

絵本の読み聞かせと語彙・言語能力を扱う研究を確認し、効果の大きさや比較条件の違い、家庭で無理なく楽しむ工夫を紹介します。

幼児期に絵本の読み聞かせが学力に与える影響

「読み聞かせで、どんな力が育つの?」。研究が調べているのは、語彙や言語能力などの具体的な側面です。絵本を読めば必ず賢くなる、という一つの効果にまとめずに見てみましょう。

絵本は、会話とは違う言葉に出会う入口

Nationら(2022)のレビューは、子ども向けの本に、日常の子ども向け会話より多様な語彙や複雑な構文が含まれるという分析を紹介しています。すべての本が会話より難しいという意味ではありませんが、普段は使わない表現に出会う機会になります。

語彙の学習を調べた研究

Flackら(2018)は、読み聞かせを通した単語の学習を扱う研究をまとめ、読み方や繰り返しなどの条件を検討しました。また、Nobleら(2019)のメタ分析では、共有読書の介入と言語能力との関係を調べています。研究によって対象や比較条件が違い、効果の大きさも一様ではありません。

こうした結果は、特定の家庭で語彙が「3倍伸びる」と保証するものではありません。読み聞かせをする家庭の学力が高いという関連があっても、家庭環境など別の要因が関わるため、その差のすべてを読み聞かせの効果とは言えません。

会話する日も、物語を楽しむ日も

知らない言葉を短く説明する、絵を見て話す、同じ本をもう一度読む。語彙に触れる工夫として試せます。ただし、読書のたびに質問を続ける必要はありません。話の続きを楽しみたいときは、そのまま読み進めてもよいでしょう。

「この子はどうしてそうしたと思う?」という問いに、答えがすぐ出なくても構いません。大人の正解を当てる時間ではなく、感想や考えを交わす時間にできます。

始める時期と、続け方

まだ自分で読めない子には大人が読み、大きくなった子とも好きな本を共有できます。「早く始めなかったから遅い」と考える必要はありません。短い時間や、本人が選んだ一冊から始めてみましょう。

読み聞かせは、病気や不安の治療の代わりになるものではありません。学力や情緒への効果を期待して無理に続けるより、子どもがどんな本や読み方を楽しめるかを一緒に探していけるとよいですね。


参考文献

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