「授業のスピードについていけない」「物足りない」その悩み、実は世界共通です
この記事の要点
授業のペースが合わないときの困り方を確かめ、学校との相談や家庭でできる対応を考えます。フィンランドの公的資料も紹介します。

「先生の説明についていけない」「知っていることが多くて退屈」。同じ授業でも、感じ方は子どもによって違います。本人の努力だけで説明せず、内容や進め方が合っているかも確かめてみましょう。
海外にも、一人ひとりに合わせる工夫がある
フィンランド教育庁の案内では、基礎教育の評価は教師が行い、日々のフィードバックと年度末の評価を組み合わせています。全国共通の学力試験はありませんが、学校の試験や数値評価まで存在しないわけではありません。
支援を必要とする子どもへの学習支援も制度に含まれます。ただし、「全員が保護者と作った個別学習計画で学ぶ」「評価は本人の成長だけで決まる」と一律には言えません。学習の目標に照らして、教師がさまざまな方法で理解を確かめています。
国の制度を知ることと、すべての教室が同じ授業をしていると考えることは別です。日本と海外を、計算重視・思考重視と単純に分けるのも避けたいところです。
日本でも、個に応じた学びを考えている
文部科学省は、個別最適な学びと協働的な学びを一体で充実させる方向を示しています。学習指導要領は学ぶ内容の基準ですが、全校が同じ日に同じ単元を教えるという意味ではありません。授業や支援の方法は学校の状況によって異なります。
まず、どこで困っているかを聞いてみる
説明の言葉が分からないのか、書く時間が足りないのか、課題が簡単に感じられるのか。宿題の結果だけでなく、本人が授業をどう受け止めているかも聞いてみてください。担任と話すときは、具体的な場面があると相談しやすくなります。
家庭では、復習も発展も選べる
つまずいた内容なら、一問を図や実物で確かめる方法があります。もっと考えたい内容なら、「別のやり方もあるかな?」と問いかけることもできます。疲れている日は休み、分からなかった点は学校で確認することも選択肢です。
手助けがあると、できることに注目する
「最近接発達領域」は、一人でできることと、大人や仲間の支援があればできることの間を捉える考え方です。単に難しい問題を少し頑張って解くことだけを意味しません。必要なヒントや説明を調整し、その子が考えられる入口を探してみましょう。
家庭だけで授業とのずれを埋めようとせず、学校と相談しながら、本人に合う学び方を考えていけるとよいですね。
参考文献
- フィンランド教育庁 “Bacic information about primary and lower secondary education”
- 文部科学省「個別最適な学びと協働的な学び」
- Vygotsky, L. S. (1978). Mind in Society: The Development of Higher Psychological Processes. Harvard University Press.
