学校が苦手だった子どもたちが、世界を変えた話
この記事の要点
学校で評価されにくかった特性が、後に強みへ変わることがあります。リチャード・ブランソンやイーロン・マスクの例と、ニューロダイバーシティの視点から親が持ちたい見方を整理します。
学校での成績だけでは、その人の歩む道は決まりません。ヴァージン・グループを創設したリチャード・ブランソンも、ディスレクシアによって学校生活に難しさがあった人物として、ミシガン大学の学習支援サイトで紹介されています。

読み書きの難しさと、仕事で生かした工夫
ディスレクシアは、文字を読むことや書くことに困難が生じる学習上の障害です。読み書きの苦手さだけで、その人の知的能力や得意な分野を判断することはできません。
ミシガン大学の紹介では、ブランソンは仕事上の資料を同僚に読み上げてもらうなどの工夫をしています。苦手な作業を一人で抱え込まず、周囲の助けを借りながら取り組む姿から、学べることがあります。
イーロン・マスクが公に話したこと
実業家のイーロン・マスクは、2021年5月8日の米テレビ番組「サタデーナイトライブ」で、自身がアスペルガー症候群であると話しました。番組を放送するNBCと同じグループの報道機関Telemundoも、この発言を報じています。
現在、アスペルガー症候群は自閉スペクトラム症(ASD)の診断の枠組みに含まれます。ただし、本人の公の発言から、幼少期の学校での出来事や、事業で成果を出した理由まで推測することはできません。
有名人の経験を紹介するときにも、確認できる発言と、周囲が想像した物語を分けて読むことが大切です。
「ニューロダイバーシティ」という考え方
学び方や情報の受け取り方には、人による違いがあります。成績だけでは分からない、日々の困りごとや得意なことにも目を向けてみましょう。
近年、「ニューロダイバーシティ(神経多様性)」という概念が世界で注目されています。ADHD・ASD・ディスレクシアなどは「欠陥」ではなく、脳の多様なあり方のひとつであるという考え方です。
一方、特性も必要な支援も一人ひとり異なります。例えばASDについて、米国立精神衛生研究所(NIMH)は、得意なことと課題の現れ方に幅があり、本人に合った支援を考える必要があると説明しています。
でも、「成功者の話」だけでは終わらせたくない
正直に言えば、「有名人もADHDだったから大丈夫」というメッセージには、落とし穴もあります。
有名人の事例は、すべての当事者を代表するものではありません。仕事で大きな成果を出すことを、子どもへの期待や支援の条件にする必要もありません。まずは、今どんなことに困っているのか、どんな助けがあると取り組みやすいのかを一緒に考えたいところです。
大切なのは「この子も成功できる」と安易に励ますことではなく、「この子の脳の使い方を、親である自分がちゃんと知りたい」と思うことではないでしょうか。
親にできること: 「学校のものさし」以外を持つ
学校の成績や授業のペースは、子どもの可能性のほんの一断面にすぎません。
- 何に熱中するか
- どんな問いを立てるか
- 失敗してもどう立ち上がるか
好きな本を選ぶ、何かを作る、気になることを調べる。家庭でも、子どもが試しやすい入り口を一緒に探してみましょう。読み上げや図を使うなど、取り組み方を変えることも選択肢です。
学校で難しさを感じる理由はさまざまです。有名人と同じ道を目指すより、その子に合う環境や支援を、学校や必要に応じて専門家と相談しながら整えていきましょう。
BrainySproutsPrintsでは、お子さまの「好き」や「得意」を引き出すワークシートを無料で提供しています。授業のペースや学校の枠にとらわれず、ぜひ自由に使ってみてください。
